制作データや著作権の取り扱いについては、法的に知的財産として保護されています。
弊社がデータ納品しているデザインデータや編集可能なファイルは、デザイン業界では別途譲渡料金が発生することが一般的です。
ただしデザインのデータ納品を主業務とする弊社においては、その限りではありません。
「チラシのデザインデータはなぜ高いの?」という記事にも記載しましたが、
この方針で運営させていただいております。デザインデータの譲渡をご希望のお客様には、かなり格安なお取引になるかと思います。
ご請求料金(A4・B5サイズ片面:16,500円、両面:33,000円 税込)の内訳は次のとおりです。
お取引の際に特別な事情がない限り契約書は交わしていませんので、予めご理解のほどよろしくお願いいたします。
※サンプル提出後発注に至らなかった場合は、デザインを他媒体で流用することはできません。
この記事では、一般的なデザインデータのお取引おける「制作データの取り扱いと著作権について」記載しています。
「デザインデータくれ」などとデザイン会社に簡単にお願いできない理由がここにあります。
記事の概要
制作データの基本的な取り扱い
制作データとは?その種類と特徴
制作データとは、デザイン制作の過程で生成される中間生成物や完成品のデジタルデータを指します。これには、Adobe IllustratorやPhotoshopで作成されたファイル、印刷用PDF、アウトラインデータなどが含まれます。それぞれのデータには特性があり、用途に応じて使い分ける必要があります。
たとえば、Illustratorデータは編集が可能で柔軟性が高いですが、入稿用のPDFファイルは文字がアウトライン化されており、改変が難しくなっています。
これらのデータには制作者の知識や技術が反映されているため、法的に知的財産として保護されています。
納品時のデータサイズと形式に関する基礎知識
制作データを納品する際は、依頼者の希望や用途に応じて最適な形式やサイズで提供することが求められます。
例えば、印刷用データは印刷会社の指定に従い、CMYKカラー形式や300dpi以上で作成することが一般的です。Web用データはRGBカラー形式や軽量化されたファイルサイズが重要です。
デザインデータの譲渡に関しては、Adobe Illustratorのアウトライン済みデータが主に提供されますが、編集可能な形式を要求される場合には別途費用が発生することがあります。
このように納品形式やサイズは制作コストや運用に大きく影響するため、事前に詳細を確認しておくことが重要です。
制作データを共有する際の注意点
制作データを共有する際は、情報漏洩や不正利用を防ぐためにいくつかの注意点があります。まず、データを譲渡する際には、契約書や免責事項を含む書類を準備し、譲渡範囲や利用条件を明確にすることが重要です。
また、デザインデータや編集可能なファイルは無償で共有されるべきではなく、別途譲渡料金が発生することが一般的です。
これは、制作データには著作権が存在し、二次使用や改変が発生した際には新たな許諾や費用が必要となるためです。
データ管理のポイント:信頼性と保管方法
制作データを管理する際は、その信頼性を確保し、適切に保管することが大切です。データは制作の成果物として依頼者や制作会社にとって重要な資産であり、万が一破損や紛失が発生すれば、大きな損失を招く可能性があります。
そのため、制作データは定期的にバックアップを取り、信頼性の高いクラウドストレージや専用のハードディスクで複製を管理する対策が必要です。
また、納品後にトラブルを防ぐためには、編集可能なファイルと完成形データを明確に区分し、必要に応じて同意書を取り交わしておくと良いでしょう。
このような管理体制を整えることで、デザインデータに関するコストダウンや運用効率の向上も期待できます。
著作権の基本知識と法律の概要
著作権とは何か?その定義と対象範囲
著作権とは、創作的な表現を保護するための権利で、著作者にその成果物を使用・管理する権利を保証するものです。
著作権法では、文章、音楽、美術、デザインデータなど、創作性の高い表現物が対象に含まれます。制作されたデザインデータも著作権の対象となり、その使用や二次利用をする場合には著作者の許諾が必要です。
たとえデータの譲渡や買取が行われたとしても、著作権が明確に譲渡されない限りその権利は依然として著作者にあります。
制作に関わる著作権と著作者の権利
制作において重要な著作権は、著作者に作品の管理と使用に関する権利を提供します。さらに、著作者人格権により、作品の改変や無断利用を防ぐ権利も守られます。
デザインデータのような制作物の場合、そのデータを基に印刷物を生成する場合でも、契約がない限り中間生成物や編集データの譲渡は行われず、譲渡が必要な場合は別途費用が発生します。
特に納品後に「編集データも送ってほしい」と依頼された場合、それが制作費には含まれていないことを理解しておくことが重要です。
著作権法が守るポイントとその重要性
著作権法は著作者の権利を守るだけではなく、公平な取引や著作物の健全な流通も目的としています。著作権法第17条に基づき、制作時点で著作権は自動的に発生し、著作者の死後70年まで保護されます。
これによりデザインデータを無断で活用することや、勝手に譲渡することは法的に禁止されています。著作権の保護は制作者の知識・技術を尊重すると同時に、デザイン制作に関わるコストダウンを意識した適切な管理を促進するためです。
データ譲渡と著作権譲渡の違いを理解する
データ譲渡と著作権譲渡は別物であり、その理解は非常に重要です。データ譲渡は、印刷用データや編集可能なファイルを依頼者に提供することを指しますが、これには通常著作権は含まれていません。
一方、著作権譲渡は、制作した著作物に対する権利そのものを依頼者に移転することを意味します。例えば、Adobe Illustratorのアウトラインデータを譲渡する場合であっても、著作権譲渡には別途契約が必要です。
著作権譲渡が伴う場合、デザイン料金の5~10倍程度の費用が発生する可能性があり、これは制作物を自由に使用・改変するための対価とみなされます。
著作権譲渡とデータ譲渡の料金相場の違い
著作権譲渡とデータ譲渡では料金に大きな差があります。データ譲渡は、印刷用のアウトライン済みデータなどを依頼者に提供するもので、比較的安価に抑えられることが一般的です。
著作権譲渡は制作者の知的財産そのものを依頼者に移転する契約であり、デザイン制作料金の5~10倍以上の費用が発生する場合があります。
データ納品後の注意事項と適切な運用方法
デザインの二次利用におけるルール
デザインデータの二次利用には、制作会社の許可が必要です。一般的な契約では、納品されたデザインデータは特定用途でのみ使用可能であり、別の用途や他媒体での使用は契約外となります。
そのため二次利用の際もその都度見積もりが必要です。
編集可能なデータの活用と制約
編集可能なデータ(例:Adobe IllustratorのAIファイルなど)は、制作者の知識や技術が詰め込まれた中間生成物です。そのため、これを譲渡する場合には別途契約と料金が必要です。
たとえば、アウトライン済みデータを譲渡する場合、通常の制作費の1.5倍以上のコストがかかることが一般的です。編集データの利用範囲は契約書に基づいて明確に定められている必要があります。
「制作データの取り扱いと著作権について」まとめ
冒頭でもお伝えしたように、チラシデザインのデータ制作を弊社に依頼の場合は、制作料金にデザインデータと著作権譲渡料が含まれます。
デザインデータは本来高額で取引されるべき著作権が含まれる制作物のため、一般のデザイン制作会社では入手しづらいのです。
デザインデータに関する法律的な権利関係をご理解・比較いただき、デザイナーズチラシ.comの格安なデータ制作サービスをご利用ください。