チラシのデザインデータはなぜ高いの?

チラシのデザインや印刷を外注する際に、デザインデータも一緒に納品して欲しいと思うことはありませんか?チラシ制作を請け負う会社のほとんどは、チラシデザイン、印刷、納品までをパッケージで販売していますが、パッケージにデザインデータは含まれず、デザインデータが欲しい時は(やや高めの)別途追加料金を支払うか、デザインデータの販売をしていない会社もあります。
この記事では、チラシのデザインデータ料金がなぜ高額なのかについて独自調査をした内容をお伝えします。
チラシのデザインデータは、デザイン会社ごとに料金設定や表記方法が違います。
印刷とデザインのセット料金と比較すると、デザインデータ料金は各社割高に設定されています。
「別途お見積り」タイプ
デザインデータ納品の表記で最多は「別途お見積りいたします」というもの。
デザインデータ料金をWebで非公開にする理由はなぜでしょう。

「オプション価格」タイプ
下記B社の場合、赤字がデザイン料金です。
デザインデータは別途買い取り料金が追加され、A4サイズ片面のデザインデータは、
13,900+29,900=43,800円になります。
片面・両面不問でデータ買い取り料同額は稀なケースです。

引用元:B社
用紙サイズごとにデザインデータ料金が変わるタイプ
印刷用紙のサイズ、印刷面でデザインデータ料金が設定されているタイプは多く見られます。
概ね、両面は片面の2倍の料金になり、用紙サイズが大きくなるほどデザインデータ料金は高くなります。

引用元:C社
両面は(カッコ)の金額です。用紙サイズで価格が変わります。
「デザインのみ」の専用注文タイプ
デザインデータの料金表と注文フォームを兼用したわかりやすい表示です。
デザインデータ料金は、用紙サイズ、折り加工等商品アイテムごとに設定されています。
〈版権料込〉の表記は、ユーザーに安心感を与えます。

広告代理店タイプ
大手の広告代理店は、高額でもデザインデータ料金を公開しています。
オプション料金として、企画構成料、リライト料、コピーライティング料などがかかる場合がありますので、予算内に収まるように慎重に打ち合わせをする必要があります。

デザインデータ納品専門タイプ
下記F社は、納品形態がデザインデータのみで、低価格に設定されています。
入稿データはPDF(.pdf)データまたはイラストレータ(.ai)データのどちらかを選べます。

チラシのデザインデータにはデザイナーの著作権がある
チラシデザインのデータ料金を公開しているサイトは案外少なく、
「デザインデータ希望の場合は別途お見積り」という表記が最も多かったです。
チラシのデザインデータになぜ別途料金を払う必要があるのか、疑問に思う方もいらっしゃると思います。
実は、法律上デザインデータの著作権及び著作者人格権はデザイナー及びデザイン会社にあるため、デザインデータの無料譲渡は難しいのが現状なのです。
弁護士ドットコムには、「依頼作成したデータの著作権について」各弁護士より次のような回答(一部を紹介)が記載されています。
【参考】
弁護士ドットコム
デザインなどの著作物を委託契約した場合は、著作者であるデザイナー等に著作権及び著作者人格権が発生しますので、著作権の譲渡契約等をデザイナーとかわしていない限り、著作者であるデザイナーは著作権法26条の2の譲渡権に基づき自分の著作物の流通のコントロールができますので、データは譲渡してもらえないという事になります。
公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会による「 デザイナーにとってのデザイン契約」に、企業と個人デザイナーとの契約で用いられる一般的な「デザイン業務委託契約書」のサンプルが掲載されています。 留意点の解説が参考になります。
チラシのデザインデータはなぜ高い?
【チラシの著作権】という法律上の壁のために、デザインデータの入手には高額な費用がかかる場合が多いということがわかりました。
その他にも、チラシ作成会社がデザインデータを高い料金で販売する理由があります。
チラシのデザインデータが高額な理由
- リピート注文(増刷)の売上を見込んでいる
- 競合他社への顧客流出防止
- デザインの改変、コピー防止(デザインの著作権に関わる問題)
- デザインに使用した素材(イラスト、フォント)の著作権による二次利用防止
- [デザイン・印刷・発送]までパッケージ化して安く販売する為、デザインデータで利益を上乗せしたい
…等の理由で、デザインデータを高額に設定して顧客に安易に渡さないようにしていると思われます。
[デザイン・印刷・発送] のパッケージ料金とデザインデータ単体の料金を比較すると、
パッケージ料金の方が安い会社が多くみられます。
チラシ作成会社にとってデザインデータは売上原資ですから、手放したくないのは当然といえるでしょう。
ところで、チラシのデザインデータを入手するケースは次の2通りがあります。
- 印刷まで依頼してデザインデータも欲しい
- 印刷は不要でデザインデータが欲しい
既出のデザインデータ料金を比較してみると、①>②。
②印刷不要、デザインのみで依頼するとデザインデータ料金は安くなる傾向があります。
①の場合、デザインデータはオプション扱いになるため、追加料金の対象になります。
編集可能な「非アウトラインのデザインデータ」は割高!?
デザインデータは大きく分けて、
①アウトラインデータと②非アウトラインデータがあります。

①アウトライン化データは、パソコンの環境によりフォントが変更されないデータで、ネット印刷会社の入稿データに使います。
② 非アウトライン化データは、パソコンにフォントがない場合他のフォントに置き換わりますが、内容の編集が可能なデータです。
一般的にデータ納品といえばアウトライン化データを指しますが、一部のチラシ作成会社は非アウトラインデータの納品を行っています。
下記料金例のようにアウトライン化データと非アウトラインデータで料金が違う場合もあります。

デザインデータは、PDFやaiデータで納品されます。Adobe Acrobat ReaderやIllustrator(有料)などのソフトがあれば、これらのファイルを開くことができ、非アウトラインデータなら編集可能です。 aiやpdfデータはInkscapeという無料ソフトでも開けます。
デザイナーズチラシ.comのデータ納品について
最後に弊社のデザインデータについて説明します。
チラシのデザインデータは、多くのチラシ制作会社が割高な価格で販売しており手に入りづらい状況ですが、
デザイナーズチラシ.comはデザインデータ片面10,000円(税別)、両面20,000円(税別)でデザインデータを納品します。
- 用紙サイズ不問の均一単価
- 基本納品はアウトライン化データ。ご希望があれば非アウトラインデータも追加料金無しで納品OK!
- 納品データ拡張子:ai,pdf, pptx(パワーポイント) ,jpg
デザイナーズチラシ.comは、 デザインの著作権は委託側(依頼主)に譲渡いたしますし、 著作者人格権は行使いたしません。
デザインデータの二次的加工は自由に行っていただいて構いませんが、
デザインデータ譲渡後のトラブルや問題には、弊社は一切責任を負いませんのでご了承ください。
非アウトラインデータ納品時の補足
- 日本語及び英文フォントは、フォント会社とのライセンス上お渡しできません。
納品データのフォントが御社のPCにインストールされていない場合は、
インストールされているフォントに置き換わりますのでご了承下さい。 - イラストや写真の二次利用は、弊社で契約しているイラストサイトの利用規約、写真サイトの利用規約を遵守してご利用下さい。
- データで使用の画像は埋め込みで配置します。データは【Illustrator2020】Mac版で制作しております。
納品前にお客様のご希望バージョンのデータをご連絡下さい。
終わりに
各社のチラシデザインデータ料金についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
用紙サイズ、印刷面、データのアウトライン有無、依頼形態等で、デザインデータ料金は大きく変わります。
チラシデザインを依頼するデザイン会社の料金体系を比較確認する資料として、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事は2021年1月18日にリライトしました。
