自宅ポストに投函されるチラシのほとんどは、内容もよく見ずにゴミ箱へ入れてしまうのですが、これから紹介する2枚のチラシは捨てるのが惜しくなるほど、というかむしろ保存しておきたくなるチラシでした。デザイナー視点からその理由を分析したのでお伝えします。デリバリー系のチラシ作成の参考になると思います。
よだれが出るほどおいしそうな拡大写真を表紙に載せる
デリバリー系のチラシは、商品の写真で勝敗が決まるといっても過言ではないでしょう。写真でどれだけユーザーの食欲を刺激することができるか。写真をひと目見るだけでユーザーに「おいしそう!」と思わせるかどうか。自宅ポストに投函されたチラシに、思わずよだれが出そうなほどおいしそうな写真が掲載されていました。それが下の写真です。
空腹時にこんな写真を見てしまったら、食べてみたくなりますね。おそらく食品専門のプロカメラマンが撮影した写真でしょう。写真のクオリティーが半端ないです。光源の位置、商品の角度、食器や明るさの調整など、「おいしそう見せる」ために緻密に調整して撮影しているのだと思います。
「いつでも炊きたてをお届けします」
「トロける、極上の旨さ。」
商品写真に説得力があるので、さりげなく寄り添うコピーと写真が絶妙にマッチします。
チラシの厚みで高級感を出す
チラシを印刷する紙に厚みをもたせると高級感を表現することができます。
上記チラシは、釜飯がコート90kg、サーモン寿司がコート110kgあたりを使っていて、その他の薄紙チラシとは一線を画する高級感があります。商品に高級感を持たせるだけでなく、厚めの紙を使うことでチラシの保存率が高くなります。ユーザーがいつでも注文できるように、紙の厚さも考慮されているのがわかります。
チラシを三つ折りにして商品ラインナップを豪華にする
実は釜飯チラシ、サーモン寿司チラシ共に三つ折り仕様です。全メニューが掲載されているのですが、各ページのカテゴリー分けが整っているので、どのページに何が掲載されているかがわかりやすいレイアウトになっています。
表紙裏(2Pめ)には、一押し商品の詳細や食べ方のバリエーションが紹介されています。ここまで情報を提供されると「食べなきゃ損かも!」と思ってしまいそう。そんなユーザー心理を、表紙下部の「アプリでお得!!10%ポイントバック」というキャンペーン情報でプッシュするという仕組み。まさに戦略的なチラシデザインではないでしょうか。
サーモン寿司のチラシは、商品ボリュームで寿司の美味しさを表現しています。5人前セットならではのボリューム感と寿司一貫一貫の並び方が芸術的に美しい。「大きなセットほどお得な価格です」という意図が伝わります。5人前の注文が増えれば客単価がUPしますね。
まとめ
捨てられない、保存したくなる、注文したくなるポスティング宅配チラシとは、
です。チラシにプレミアム感を出して他のチラシと差別化すること。おいしそうな商品写真を目に付きやすい表紙に大きく掲載するだけでも、チラシの開封率、保存率に差が出ると思います。